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指打ち
ほ、ほ、ほたるこい あっちのみずは にがいぞ
五・五・五四四五・ 五五五五六六 五五四二・
(赤は、8分音符)
こっちのみずは あまいぞ ほ、ほ、ほたるこい
五五五五六六 五五四二・ 五・五・五四四五・
同じ音が続くときに使う指打ち
指打ちとは、押さえている指を上げ下げして打って、音を切ることです。
五の音を3回鳴らすときには、一息で吹きながら、左手の中指で押さえている穴をトントンと、二回打ちます。途中で息継ぎはしません。
この動作をゆっくりすると、 五六五六五(8本調子だとソラソラソ)と、聞こえます。
でも、五五五(ソソソ)と、聞こえなければいけないので、素早く上げ下げしてください。
「ほたるこい」の中で指打ちをするのは、太字になっているところです。たとえは、四四は、四と四の間で一回指打ちをしますが、できるだけ素早く五の音が入らないように打ちます。
最初は、少し音が入りますが、慣れるとできるようになります。また、わずかに入っていても、篠笛らしい雰囲気になるので、聞いていておかしくなければ大丈夫です。
音楽の表現として使う指打ち
篠笛らしい表現をするときにも、指打ちを使います。
この時は、素早く音を切る感じではなく、曲調に合った速さで、曲調に合った指打ちを入れます。
私は、ピアノを弾いていたので、洋楽の説明になってしまうのですが、表現として使う指打ちは、例えていうと、ピアノの飾り音符のようなものです。ピアノの飾り音符のように、色々な種類(音)の指打ちがあります。
表現として入れる指打ちは、どんな風に入れるかとか、どの箇所に入れるかなどは、決まっていません。自分の感覚で、「ここにこんな感じでいれてみよう」と、思ったところに入れるとよいと思います。
とは言っても、明らかに無理なところには入れられませんので、最初は上手な人の演奏を見たり聴いたりして、こんな風に入っているんだな・・・と、感じて下さい。
プロの演奏の方でも、指打ちを多用される方と、「ここ」という場所に効果的に入れられている方と、様々です。色々な動画がアップされていますので、ぜひ聴いてみてくださいね!
私も最初はよくわからなかったので、上手な人の演奏を聴いて、その人が指打ちしているところに、真似して入れていました。そんなことをしているうちに、「ここに入れようかな~」と、自分でも思えてきました。
「ほたるこい」の歌に指打ちをいれるとしたら、最初の「ほ、ほ、ほたるこい」の3つ目の「ほ」に、指打ちを入れてみると、篠笛らしい感じが出るのではないでしょうか。
ほ、ほ、ほたるこい
五・五・五四四五・ 五を指打ちすると、六の音がわずかに入ります。
でも、音を切るときと違って、「この場所に絶対に必要」というものではありません。何度も言いますが、少しづつ慣れていったら、自然に「ここにこんな風に入れたい」と思うようになります。その時に、色々な指打ちを研究されるとよいと思います。
逆に、お囃子の団体や、和太鼓のチームに所属されている方は、演奏曲が決まっているので、「ここで必ず指打ち」という箇所があると思います。
甲音・大甲音と低音の出し方
呂の六の音をきれいに出せるようになったら、六に近い音は、同じ吹き方で出ると思いますが、高い音、低い音は出しにくいと思います。
音を出すときの息の出し方をざっくり分けると、
低音・・・太い息をゆっくり出す。口の穴はやや大きめ
息の方向は低くなるほど下向き
口の中は、「お」の発音をするときのように、広くする
高音・・・細い息を速く出す。口の穴はとても小さい
息の方向は高くなるほど上向き
口の中は、「う」の発音をするときのように、やや狭くする
上記の息の出し方等を、音の高さに合わせて段階的に変えていって、筒音から大甲の音を出します。なので、正確には、一音一音微妙に息の当て方が違うのです。
また、普通に歌を歌うときも、高い声を出すときと、低い声を出すときとでは、発声のしかたが違うと思います。高い声は、頭に抜けるように出すし、低い声はおなかから出しますよね。
笛を吹くときにも、高い音を出すときには、高い声を出すように、低い音を出すときには、低い声を出すように、息の使い方を変えます。(この部分は、もしわかりにくかったら飛ばして下さい。ある程度吹けるようになって、もっときれいな音が出したいと思ったときに「あ、そうか」と思っていただけたら嬉しいです)
でも、初めての時は、ざっくりでよいので、とりあえず音を出しましょう!
私は、甲の高い音が出せなかったときに、篠笛を吹いている友人から、「音を遠くに飛ばすと思って吹いてみたら?」と、アドバイスをもらい、はじめてできるようになりました。
スイカの種をとばすように・・と表現されている先生もおられます。
「できるだけ小さな穴から、速い息を、唄口の上をねらって出す」と、大甲の音が出ます。
「速い息」を出すというのは、力いっぱい吹くことではありません。同じ量の息を同じ圧力で出すのですが、穴が小さくなることで、結果的に速い息になるのです。
注意点が山ほどあって、覚えきれないと思います。すぐにできることではありませんので、あせらずゆっくりと一音ずつ、出せる音を増やしていきましょう。
まとめ
・指打ちは、音を切りたいとき、篠笛らしい表現をしたいときに使う。基本的にタンギングは使用しない。
・甲・大甲などの高い音は、口の穴をできる限り小さくして、息を遠くに飛ばすように早く出す。
・呂の二、一、筒音などの低い音は、口の穴をやや大きくして、柔らかい息を唄口に吹き込むように出す。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!